CASE STUDY
KIBIT導入事例インタビュー
応接記録モニタリングにKIBITを採用して、
行員の意識変革にも大きく貢献。
ニュアンスを判断できる言語処理能力が決め手
足利銀行 DX戦略室 玉居子 祐希氏
足利銀行DX 戦略室では、業務効率化を目的に1年ほど前よりKIBIT Knowledge Probe(以下 KIBIT)を導入しています。投資信託等、一定のリスクがある商品を販売する際に行員とお客さまの間で交わされた「応接記録」のモニタリングにKIBIT を活用しているそうです。応接記録モニタリングにKIBITが必要だった理由、KIBIT 導入による業務の変化、今後のKIBIT 活用の展望等を足利銀行の皆様にお伺いしました。
──「応接記録」のモニタリングはなぜ必要なのでしょう?
投資信託のように一定のリスクのある商品は、お客さまにしっかりと商品特性を伝えてご理解していただいた上で、適切に販売しないといけません。行員がお客さまに適切に商品を販売しているかどうかを「応接記録」を通じて確認しています。この記録をチェックし、販売の適切性を確認するのが私たちのモニタリングです。これは「お客さま本位の業務運営」のために必要で、「お客さまを守るため」はもちろん「自社を守るため」に営業活動の適切性をモニタリングしているのです。
──モニタリングにKIBITを活用しようと思ったきっかけは?
本来ならば応接記録は、人間が全量チェックするのがベストです。とはいえ、応接記録は月に10,000 件にも上るので、KIBIT導入前はすべてチェックするのは難しい状況でした。そこで、KIBITで「見なければならないもの」を抽出してモニタリングすることで、業務効率化を図っています。
10,000 件のうち、弊行側で設定したモデルに合致したものをKIBITでチェックしています。現在17観点でのモニタリングを実施しており、例えば「損失についての説明を適切に行っているか」「提案商品がニーズにあっているか」についてAIモデルを作成し、スコアリングを行っております。
ルールベースで絞った応接記録をKIBITにかけています。数でいいますと、だいたい全体の半分、月に5,000 件程度です。モニタリングは月に1回、まとめて行っています。1回あたり作業時間は2 ~ 3時間程度です。
──KIBITを導入して、どのくらい業務効率化が進みましたか?
応接記録5,000 件/月のうち、KIBITが高リスクと判断したもの、及び記載不十分と判断したものについて、人間の目で確認しています。かつては人力でサンプルチェックしていたところをKIBITの力を使い、効果的に確認しています。効率的に見るべきものを抽出できるようになり、約5倍の取引をチェックできるようになりました。
──その分、応接記録に関わる人の数が減ったのでしょうか?
いえ、応接記録に関わっている人の数は変わっていません。効率化した分、別の観点で記録を確認してもらったり、ほかの業務に空いた時間を充ててもらったりしています。
もともとすべての記録の10 数パーセントしか見ることができなかったのですが、KIBITにかけている取引は「課題がありそうな記録はすべて見ている」といえると思います。
──KIBITを導入して、行内で何か変化はありましたか?
営業店担当者の意識変化がいちばん大きいですね。KIBITに応接記録をかけることによって、不足している部分が点数化されます。もし、内容が不足していたら本部から「もう一度確認してほしい」と戻されます。そして担当者は上司から「ここ、どうなっていますか?」と聞かれます。なので、次からは指摘されないよう、しっかりと応接記録を記載するようになったように見受けられます。
私たちはいろいろな材料を使って、応接記録の適切性を判断しています。KIBITは面談記録の部分だけで判断しているので、それだけに頼るわけにはいかないですが、担当者にいろいろ「意識付け」させることにも役立っていると思います。
KIBITでは、必要な事項が記録されているどうかもチェックします。そのため担当者は必要事項を漏れなく、かつ適切に書くよう心がけるようになり、その前提となる説明行為自体も丁寧になります。結果として、お客さま対応への意識が変わってきました。
また、これは想定していなかったのですが、応接記録自体の記入が早くなりました。こういった記入はどうしても後回しになりがちですが、KIBITに応接記録を読み込ませる必要があるため、行員たちが優先順位をあげて、記入するようになったのです。後回しにせずに、記憶が鮮明なうちに記入するため、より正確な応接記録が残せるようになりました。
──KIBIT導入時、ほかのAIもご検討されたと思います。最終的にKIBITをお選びいただいた決め手はどこにありましたか?
テキストを解析するAIツールはいろいろありましたが、KIBITは
①教師データが少なくて済む
②暗黙知やニュアンスによる判断ができる
という2点が決め手でした。
テキストの検出やパターンを読むだけなら、他のAIでもできますが、ニュアンスを読み取って、その単語が正規の使われ方をしているのか? ということがわかるのはKIBITだけでした。前後のニュアンスから「お客さまは理解していないけど、違う意味でその単語を使っているのでは?」といったことがわかります。ここが一番のポイントですね。
──KIBITのよかった点、改善してほしい点があれば教えてください
KIBITのハイライト機能は便利だと思います。機械学習はどうしても、「なぜそう判断したのか」がブラックボックスになりがちですが、KIBITのハイライトを見れば「このテキストをみてこういうスコアリングをした」と理由がわかるので、モデルの精度を上げるためのチューニングに活用することができました。
また、弊行では、KIBIT導入後に行員によるモデルのチューニングや新モデルの作成を行っていますので、この機能があることでKIBITに学習させるデータを選びやすいという利点もありました。
苦労した点は、教師データ作成の難しさですね。取引件数が少ないパターンではデータの準備に苦労しましたが、そもそもKIBITは、必要な教師データの量がさほど多くないので、担当者がある程度データを補うことで乗り越えられました。
──今後の御行におけるKIBITの活用範囲拡大イメージについて教えてください
コンプライアンス統括部での実績をもとに、今後は個人コンサルティング部でも活用したいと考えています。現在、弊行ではすでに金融商品をお持ちのお客さま向けにアフターフォローを行っており、ルールに則っていくつか分類項目に振り分けています。応接記録の内容と分類項目が一致しているかをKIBITで確認し、異なる場合は誤った記録になっていないか担当者に確認するようなイメージです。
個人コンサルティング部には、半年で20,000 件ほどのフォローが必要なお客さまがいるので、KIBITを使ってアフターフォローの全量のチェックができる体制を整備したいと考えております。行内全体でKIBITを使った業務効率化を進めて、さらに「お客さま本位の業務運営」を推進してまいります。