株式会社FRONTEO
一般的に、予兆検知とは、トラブルの兆候を事前に察知することを言います。例えば工場では、機械が故障すると生産がストップして大きな損害となりますが、いつもと違う音など何か故障の前触れがわかれば、故障する前にメンテナンスができます。つまり予兆検知とは、トラブルが起きたことを検出するのではなく、その兆候を事前に察知するのがポイントです。大きなトラブルになる前に小さく対処することは、あらゆる場面で非常に大切な取り組みとなってきます。
会社にとって社員は最も大切な財産であり、それは特別な技能をもつ人材や優秀な人材であればなおさらです。会社の未来を創る優秀な人材の退職リスクを見逃さないためにも、いち早く異変に気づき、社員の退職意思が固まる前に原因の解決につながるアクションを取ることが最優先です。そのためには、業務への不満や社内のコミュニケーション不全などの事象を、日々の会話や業務状況、アンケートなどから把握する取り組みなどが考えられます。
人事部門が抱える課題は、優秀な人材の確保、慢性的な人材不足、人材の多様化などで多様化し、難易度も高まるいっぽうです。しかし、日々の会話やアンケートなどから社員一人ひとりの不満や異変を察知することはなかなか困難です。そんな中、優秀な社員のリテンション、メンタルケアやサポートへの対策として、人工知能(AI)やHRテックツールの活用が急速に注目されてきています。
AIの分析能力を活かせば、人の感覚では捉えにくい傾向やパターンを見つけ出すことができます。人事担当個人の感覚や経験に頼って異変を見出すやり方よりも高い精度で予兆を検出できるようになります。
AIでは人の感覚でとらえにくい予兆を高い精度で見つけられる他、そうして検出した離職の予兆は客観的なデータに基づくため、人事担当者や上司の判断の支援に役立ちます。AIが予兆の検知を担ってくれることで、人事担当が検知後のフォローや対策の検討に時間を割くことができるのも大きなメリットです。
日々業務に携わる社員は、労働環境や業務内容、自身のキャリア開発など、不安や要望を抱えることも少なくありません。ともすれば離職につながりかねない変化を察知し、コミュニケーションを強化し対策をとることが、社員の帰属意識、エンゲージメントを高め、優秀な人材の流出を防ぎます。
社員のフォローやケアとは、健康やメンタルヘルスの側面はもちろん、社員本人のキャリア開発やワークライフバランスの維持まで含まれます。こうしたフォローやケアが必要な社員をスピーディーに検知して、効果的なタイミングで対応することが大切です。
離職防止のアンケートなどデータの活用
会社として社員の勤怠管理や面談・目標管理をはじめとして、働きやすい職場環境のために従業員満足度の調査の実施など、人事部門には本来膨大なデータが蓄積されています。そうした面談記録やアンケートの分析をAIに担わせ、そのデータを有効活用することが必要です。
エントリーシート、目標管理の上司/本人コメント、自己申告、育成計画、研修のワークシート、意識調査など、人事部門に集まるテキストデータは多岐に渡ります。それらを有効活用し、採用・評価・配置・人材開発・組織開発・労務管理のHR各領域における課題解決を支援します。
日常のコミュニケーションだけでは捉えきれない、不安や不満、離職の兆候を、人事が保有するテキストデータの解析により早期発見します。
株式会社ソラストは、新入社員の離職を防ぐ取り組みにAIエンジン「KIBIT」を導入。新入社員の面談記録を解析し、不安や不満を抱える人を早期に発見しフォローを行うことで離職を防ぎ、定着率を高めました。
障害のある方の就労支援事業で、就労ストレスなどによる病状の重篤化を予防するためにAIエンジン「KIBIT」を導入。熟練スタッフの知見をシステムに取り込むことで病状悪化の予兆を発見し、早期にケアを行って重篤化を回避しています。
膨大なテキストデータの中から見つけたい情報を仕分け・抽出する、AIによるビジネスデータ分析支援システムです。人事部門の暗黙知を学んだ人工知能(AI)がコミュニケーションデータを分析し、ビジネス機会の創出や、リスク回避を支援します。
KIBIT Knowledge Probeについて詳しく見る
メール・LINE WORKS・テキスト化済み音声データなどのテキストについて、類似性や文脈を捉えて特徴量をスコアリングする不正検知支援システムです。微妙なニュアンスまで検知することができ、監査業務の工数を大幅に削減しながら内在するリスクを可視化できます。