「お客様の声(VOC)」が重要視される社会的背景と課題

近年、企業のカスタマーサポート部門に寄せられるご要望やご批判、お問い合わせ、SNS、商品レビューコメントといった「お客様の声(Voice of customer=VOC)の重要度が高まっています。

「お客様の声(VOC)」は、製品やサービスの開発・改良につながる貴重な情報です。トラブルになりそうなクレーム対応の検知にもつながります。企業にとってはまさに「宝」。日々蓄積され増え続けるビッグデータを分析して経営に役立てることは、企業において取り組むべき必須のマーケティング課題です。

とはいえ、成長著しい業界では、人力による「お客様の声(VOC)」の分析は、日に日に困難になってきています。たとえば10年間で37倍もの成長をみせる個人向けのEC市場。売上の拡大に伴い、カスタマーサポートに届くお客様の声も増え続けていて、その膨大な情報のすべてを人の目で確認し、分析することはもはや不可能です。

「お客様の声(VOC)」分析のメリット

「お客様の声(VOC)」の分析は、新サービスや新商品のリリースを控えた企業にとくにおすすめです。入念に分析することで、ユーザーニーズに合致した企画なのか否か、客観的に判断することができます。

商品やサービスの向上に役立つ

「お客様の声(VOC)」を分析するメリットは多々あります。「お客様の声(VOC)」は、製品やサービスに対する質問や問い合わせ、クレームといった即座に対応しなければならない性質のものが目につき、その対応に追われてしまいがちですが、その奥底には企業側が気づかなかった顧客のニーズが隠れています。「製品の改善要望」といったクレームはわかりやすく、それ単体で対応してしまいがちですが、数多く集まったデータの傾向をトータルで分析することで、顧客ニーズを包括的に把握することが可能です。顧客ニーズを俯瞰して理解、収集することで、現状のサービス、商品の方向性が正しいかどうかをチェックすることができるわけです。

マーケティング戦略に役立つ

顧客ニーズと実際の商品やサービスの特性を鑑みて、最適なマーケティング活動に反映させることができます。「お客様の声(VOC)」を分析した結果、狙いどおりのマーケティング活動の成果が見えてくるかもしれませんし、想定していた顧客層と異なるユーザーに支持されている結果が見えてくる場合もあります。効果的で客観的なマーケティング活動を行うためにも、「お客様の声(VOC)」データは有益な情報となります。

顧客満足度、顧客ロイヤリティ向上に役立つ

「お客様の声(VOC)」に真摯に耳を傾け、商品やサービスを顧客が満足するようにチューニングしていけば、自ずと顧客満足度、顧客ロイヤリティは向上します。「1:5の法則」というように、新規顧客に販売するコストは、既存顧客へのコストの5倍かかるといわれています。既存顧客を大切にすることは、企業のブランドイメージだけでなく、コストの観点からもメリットがあるのです。

スキルが未熟なスタッフへのサポートに役立つ

一般的にカスタマーサポートを担うコールセンターは派遣社員、パートタイム社員が大部分を占め、離職率が非常に高く顧客への対応スキルの向上が難しい傾向にあります。多様化するクレームへの対応が難しい未熟なスタッフをサポートし、2次クレームを防ぐことは、部門長やスーパーバイザーにとっての重要な役割です。

「お客様の声(VOC)」の収集チャネル

コンタクトセンター

「お客様問い合わせ窓口」のような、電話対応部署を持つ会社も多いと思います。最近では電話に加え、メール、チャット、LINEなどのコミュニケーションツールに対応する企業も増えてきています。電話は声のトーンなどにより、顧客の感情がストレートに伝わる反面、テキストデータが残らないといったデメリットもあります。音声認識ツールで会話をテキスト化するなど、一歩進んだ対応が必要です。逆に、メールやチャットは応対時間の制限がなく、テキストデータも残るといったメリットがありますが、顧客の感情が読み取りにくいというデメリットもあります。最近ではAIの技術発展によって、顧客の感情を読み解くツールも登場してきており、徐々に顧客の感情分析の精度はあがってきています。

SNS、ソーシャルメディア

フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ユーチューブといったSNS上の「お客様の声(VOC)」も見逃せません。自社アカウントから商品やサービスについて発信した際のリアクションだけでなく、顧客が自主的に情報発信しているケースも多々あります。マーケティングにおいては、後者のウォッチが重要です。顧客や潜在顧客による忌憚のない意見が飛び交う場で、市場において自社の商品、サービスがどのように捉えられているのか、顧客の感情も含めてチェックできます。自社がSNS上でどう評価されているのか、定期的に「ソーシャルリスニング」していきましょう。

アンケート

対象となる商品、サービスを絞って「お客様の声(VOC)」をヒアリングするならば、アンケートがもっともスタンダードな手法です。聞きたいポイントを絞って効率よく情報収集ができる反面、設問次第では、回答に偏りがでてしまうこともあり、ある程度テクニックが必要な手法でもあります。分析するために必要十分な回答数を得るために、インセンティブを設けたキャンペーンを実施する、広告で露出するなど、コストがかかるケースも想定できます。

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「お客様の声(VOC)」分析を成功させるコツ

目的を明確化する

どんな分析でもそうですが、ただ闇雲にデータ収集しても意味がありません。既存の商品、サービスを改善するために行うのか? 新たな商品をローンチするための市場調査なのか? それとも顧客満足度をあげるための現状調査なのか? 事前に目的をしっかりと定めることで、適切な集客チャネル、収集・分析をセットできます。無駄なく、効果的な「お客様の声(VOC)」の収集、分析を意識しましょう。

「お客様の声(VOC)」の感情を読み解く

収集した「お客様の声(VOC)」の数が多ければ多いほど、分析に手間がかかります。分析にAIを活用する企業も増えてきています。額面どおりに顧客ニーズがわかりやすく表現されている「声」であれば、集計するだけで事足りますが、電話の際の声のニュアンスやメールやチャットの文章構成によって、顧客の真意を図る必要があるケースもあります。その場合、声の抑揚で顧客の感情を類推する音声AIや、テキスト化した電話の会話、メール、SNSなどの文章構成から顧客の感情を類推する自然言語処理型AIなど、さまざまなシーンでAIが活用できます。「お客様の声(VOC)」の数が多いほど、AIは効果を発揮します。

AIエンジン「KIBIT」による「お客様の声(VOC)」分析とは?

FRONTEOのAIエンジン「KIBIT」は、カスタマーサポート部門に寄せられるお客様の声やお問い合わせ、商品レビューコメントを分析。日々蓄積される膨大なコミュニケーションデータの中から製品開発・改良につながる情報や、トラブルになりそうなクレーム対応を検知します。コールセンター業務における問合せ対応のパフォーマンスチェックとしてもご活用いただけるソリューションです。

一般的にカスタマーサポートを担うコールセンターは派遣社員、パートタイム社員が大部分を占め、離職率が非常に高く顧客への対応スキルの向上が難しい傾向にあります。多様化するクレームへの対応が難しい未熟なスタッフをサポートし、2次クレームを防ぐことは、部門長やスーパーバイザーにとっての重要な役割です。

解決方法と導入効果

「お客様の声(VOC)」をもとに、どのように商品やサービスの課題を解決していけばいいのでしょうか。実際にAIエンジン「KIBIT」を導入した事例とともに解説していきます。

内容の種別分析・自動仕分け

お客様のレビューコメントや問合せ対応履歴から、商品改良、新製品開発意見、顧客の不満等の特徴別にサンプルとなるデータをAIエンジン「KIBIT」に学ばせることにより、日々蓄積される大量のコミュニケーションデータをそれらの種類別に自動仕分けします。また「ブランドは好きだが製品・サービスの質が悪い」等、通常では分析が難しいクレーム情報に関しても、AIエンジン「KIBIT」が文章全体を通して判断し、抽出・仕分けしてくれます。

クレーム化の兆候を自動で検出

過去にクレーム化した顧客との対応履歴や報告書をAIエンジン「KIBIT」に学ばせることで、日々蓄積されるコミュニケーションデータの中からクレーム化しそうな兆候を、重要度によるスコア付けした状態で抽出します。抽出された対応をカスタマーサポート部門のスーパーバイザーや管理・監督者が優先的に確認。素早く改善することにより、2次クレームを防ぐことが可能です。

対応クオリティやパフォーマンスを定量的にチェック

スコア付けされたお客様との対応履歴の状況は、担当者毎に確認することが出来るので、カスタマーサポート業務における対応クオリティのチェックや担当者のパフォーマンスチェックにも活用できます。スタッフ教育の効率化や外注先の定量的な評価が可能です。

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「お客様の声(VOC)」の分析に役立つFRONTEOのツール

膨大なテキストデータの中から見つけたい情報を仕分け・抽出し、ビジネス機会の創出、リスク回避を支援するビジネスデータ分析支援システム。

テキスト化済み音声データやメール等の膨大な“お客様の声”に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューション。

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人工知能(AI)によるビジネスデータ分析支援システム。お客様の暗黙知を学んだ人工知能(AI)がコミュニケーションデータを分析し、ビジネス機会の創出とリスク回避を支援。

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